太極拳は中国に古くから伝承されている武術で、たくさんの流派があり、それぞれに基本的な動きが異なっていたり、基本形と言われるポーズの数や形も異なっていたりします。子供の頃からずっと太極拳に親しんできた人なら沢山の基本形をマスターする事もできるでしょう。しかし、大人になってから太極拳を始めた人にとっては、数え切れないほどの基本形がある流派は、なかなかマスターする事ができません。基本形をようやくマスターしても、その後に基本形同士の組み合わせによってもっと多くの動きをマスターしなければいけないのです。

「数え切れないほどの動きがあったのでは困る」
という切なる願いから考案されたのかどうかは分かりませんが、追求すれば底なし沼のように奥が深い太極拳を、できるだけ簡素化して一般の人にも知ってもらおうと考案されたのが、制定拳と呼ばれる太極拳の流派。その中でも24式太極拳は、基本的な動きがトータルで24種類という太極拳をギュッとコンパクトに凝縮した新しい流派なのです。

24式、48式、88式などのように基本的な動きの数によってネーミングされている事が多い制定拳。その中でも最も最初に考案されたのが24式太極拳です。24式太極拳は1956年に太極拳と言う武術を全世界に広めるべく考案された流派で、現在では全世界で多くの広がこの流派を学び、健康法としても取り入れられているようです。実際に、日本における太極拳と言うと、暗にこの24式太極拳を意味している事も多く、スポーツジムや武術を教えている道場などで教えられているのも、この流派が一般的なようです。

また24式太極拳は、太極拳のメインストリームを伝承していると言われている楊式太極拳の入門編という立場で考えられる事も多く、24式太極拳をマスターした人の中には、もっと奥の深い太極拳を探求するために楊式太極拳に入っていく武術者も少なくないようですね。

24式太極拳が考案されてから、つぎつぎに88式や48式などいろいろな制定拳が考案されていく事になります。最も最初に考案された24式太極拳は、数ある制定拳の中でも知名度と普及度が最も高いのも特徴と言えるでしょう。

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